帯状疱疹が増えています!

帯状疱疹とは?

帯状疱疹とは、体の左右どちらか一方に、ぴりぴりと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点、小さな水ぶくれが帯状に出現するのが特徴です。

80歳までに約3人に1人が発症するとされています。50歳以上の中高年層に多く発症しますが、10~30歳代にも発症することもあり、若い人も油断はできません

近年、この帯状疱疹がコロナ禍において増加傾向にあると言われています。
原因としては以下が考えられています。

・コロナ禍でのストレスや運動不足による免疫の低下により、免疫のバランスが崩れやすくなったため帯状疱疹が増加。

・コロナ罹患後に免疫力が低下し、帯状疱疹が増加。

・コロナワクチン接種後に一時的なリンパ球減少が生じ、免疫力が低下することで、帯状疱疹が増加。

・2014年以降、小児に対する水痘ワクチン定期接種がスタートしたことで、水ぼうそうの流行が激減し、大人が水ぼうそうウイルスに接する機会が減り、帯状疱疹に対しての免疫力のブースター効果がなくなり、帯状疱疹の発症率が上昇。

また、季節でみると冬より夏にかけて帯状疱疹は増える傾向があります。

マルホホームページより引用

1997年から2014年までの帯状疱疹発症数の月ごとの推移では、帯状疱疹患者は8月をピークに夏に増加し、冬は減少しているのがわかります。
これから夏にかけ、帯状疱疹の罹患率は増えることから、注意が必要です。
特に50歳以上の方は、罹患率が高いことや後遺症としての神経痛のリスクも高いことから早めに帯状疱疹ワクチンの接種をお勧めします。

ワクチン「シングリックス」の接種で予防しましょう

当院では帯状疱疹ワクチンとして、シングリックスという不活化ワクチンを採用しております。

効果

50歳以上の成人では97.2 %、70歳以上で89.8%の予防効果があると報告され、非常に高い予防効果が期待されるワクチンです。また、帯状疱疹後の神経痛を50歳以上で100%、70歳以上で85.5%の減少すると報告されており、帯状疱疹による後遺症としての神経痛に対しても高い効果が認められています。

効果期間

少なくとも10年目まで有効性が持続することが報告されています。

投与スケジュール

不活化ワクチンであるシングリックスは2回の接種が必要です。
2回目の接種のタイミングは1回目接種の2〜6ヶ月後です。
※コロナワクチンを摂取される方は前後2週間開ける必要があります。

副作用

接種部位の副作用として、注射部位の痛みや腫れ、赤みなどが出現する場合があります。
また全身性の副作用として、筋肉痛、疲労、頭痛、寒気、発熱、胃腸障害などが出現する場合があります。
いずれも2〜3日で改善されます。

費用

1回あたり22,000円

終わりに

帯状疱疹は後遺症として、神経痛を残すことがあるため、予防や早めの治療が必要となります。

夏の罹患率が高くなる前に、50歳以上の方は予防接種をお勧めいたします。また、若い方でも増加傾向であり、気になる症状が出現したら、早めの治療が大切です。痛みを伴う皮膚の症状が出現した場合は、いつでも気軽にご相談ください。