アレルギーにはどのような種類がありますか?

皮膚症状を起こすアレルギーにはさまざまありますが、頻度が高いアレルギーとしては数分以内に誘発されることが多い即時型反応を生じるⅠ型アレルギーと数日以降に反応がでる遅延型反応を生じるⅣ型アレルギーがあります。

アレルギーの原因は? どのような病気がありますか?

Ⅰ型アレルギー(即時型アレルギー)はマスト細胞という細胞が関与するアレルギーで、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)に暴露後5~15分で反応が起こります。表面にIgEという抗体を結合したマスト細胞が抗原と反応することで、マスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が遊離されます。これらの物質が血管の透過性を亢進させて浮腫(むくみ)を起こし、血管から皮膚へ好酸球を誘導して炎症を起こし、皮膚のかゆみ・じんましんや鼻汁を生じます。ひどくなると気道の粘膜が浮腫を起こして閉塞し、呼吸困難症状を起こしたり、血管が広がり血圧が低下し、重症例ではアナフィラキシーショックを起こすことがあります。Ⅰ型アレルギー(即時型アレルギー)の代表的な疾患は、じんましん、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息などがあります。特定の花粉にアレルギーがある人は特定の食物に対してもアレルギー症状が出現することがあることもあり、注意が必要です。(例:スギ、ヒノキとトマト、シラカンバとモモなど)また、アトピー性皮膚炎では慢性湿疹の発症はⅠ型アレルギー以外の関与もありますが、IgEが強く関与しています。
Ⅳ型アレルギー(遅延型アレルギー)は、アレルゲンを認識するT細胞という細胞と抗原の間の反応によって炎症が起こるもので、一度感作が成立すると、2回目以降にアレルゲンに暴露された際にアレルゲンを認識した抗原提示細胞を介してメモリーT細胞が皮膚内で活性化し、48時間後をピークに炎症が誘発されます。金属や毛染めの成分などによるアレルギー性接触皮膚炎、ツベルクリン反応などがⅣ型(遅延型)アレルギー反応になります。

アレルギーの検査はどのようなものをやっていますか?

当院では、血液検査で食べ物、花粉、ハウスダスト、ダニ、カビ、ペット(イヌ、ネコ)、ラテックスなどに対するアレルギー検査とアトピー性皮膚炎で上昇することが多い好酸球、TARC、総IgE数などを調べることができます。
赤み、がさがさ・ジクジクなどを伴う皮膚炎・湿疹が長期に続いている場合は、アレルギー・アトピー素因が関与していることがあります。これらのアレルギーによる症状は幼少期から出現することもあれば、大人になってから初めて発症することもありますのでどんな抗原に対してアレルギー反応が出現しやすいか血液検査で体質の傾向を調べることも可能です。また、金属アレルギーによる接触皮膚炎(かぶれ)や日本人で陽性率が高い原因物質ジャパニーズスタンダードアレルゲンのうち21種類を使用したパッチテストパネルを使った貼付試験も行っております。なお、貼付試験は行える時季が限定されていますので一度ご相談ください。(血液検査によるアレルギー検査はいつでも施行可能です)