Vビームは保険適用?対象の病気と自費との違い|皮膚科専門医が解説
Vビーム(赤みに反応するレーザー)を保険で受けられるのは、生まれつきの赤あざや、遺伝性・全身性の毛細血管拡張症など、一部の病気に限られます。鼻の周りや頬の赤み、赤ら顔(酒さ)、ニキビ跡の赤みの治療には、現在は保険が使えず、自由診療になります。
保険が使えるかどうかを決めるのは、使う機器ではなく、赤みの原因になっている病気です。
この記事では、その線引きの根拠(国の診療報酬のルールと日本皮膚科学会のガイドライン)、ご自身の赤みがどちらに近いかの目安、自由診療で受ける場合の料金と副作用を、皮膚科専門医・下方 征院長(渋谷スクランブル皮膚科)の監修のもとで解説します。
目次
01 Vビームとは?赤みのもとになる血管に働くレーザー
Vビームは、顔の赤みの治療に使う医療用のレーザーです。
顔の赤みの多くは、皮膚の浅いところで細い血管が広がり、血液の赤い色が透けて見えている状態です。Vビームの光(波長595nm)は、この血液の赤い色素(ヘモグロビン)に吸収されて熱に変わり、広がった血管に働きかけて赤みの改善を目指します。
シミ取りなどの一般的なレーザーが黒い色(メラニン)に反応するのに対して、Vビームは赤い色に反応するのが特長です。

渋谷スクランブル皮膚科では、ニキビ跡の長く続く赤み・鼻の横の細い血管・頬の赤み(赤ら顔)を中心に、Vビームで治療しています。
02 Vビームは保険適用になる?対象の病気と現在の扱い
Vビームなどのパルス色素レーザーに保険が使えるのは、国のルールで決められた一部の病気に限られます。鼻の周りや頬の赤み、赤ら顔(酒さ)、ニキビ跡の赤みは、現在は保険の対象外で、自由診療になります。
ポイントは、同じ「赤み」でも、遺伝性・全身性の病気と、鼻の周りや頬などに部分的に出るものとで扱いが分かれることです。ご自身の赤みに近いものを、左の列から探してみてください。
| 赤みの様子 | 考えられる病気 | 保険 |
|---|---|---|
| 生まれつき・赤ちゃんの頃からの赤あざ | 単純性血管腫・苺状血管腫 | 対象 |
| 鼻血をくり返し、顔や手指、口の中などに小さな赤い斑点がある | 遺伝性・全身性の毛細血管拡張症(オスラー病など) | 対象 |
| 小鼻の横や頬に、細い血管が透けて見える | 部分的な毛細血管拡張症 | 対象外(自由診療) |
| 頬や鼻の赤み・ほてりが続く | 酒さ(赤ら顔) | レーザーは対象外(塗り薬は対象) |
| ニキビ跡に赤みが残る | ニキビ跡の赤み | 対象外(自由診療) |
根拠:厚生労働省 令和8年度 診療報酬点数表 J054-2 皮膚レーザー照射療法/難病情報センター「オスラー病(指定難病227)」
細かい線引きをご自身で判断する必要はありません。迷ったら、まずはお気軽にお申し込みください。カウンセリングだけのご予約も可能です。
03 鼻・頬の赤みや赤ら顔、ニキビ跡の赤みは、なぜ保険が使えない?
保険は「病気を治す」ための制度で、見た目を整える目的の治療には使えないからです。
国の診療報酬のルール(点数表)でも、皮膚のレーザー治療は「単なる美容を目的とした場合は算定できない(保険が使えない)」と決められています。
鼻の周りや頬の毛細血管拡張症
点数表には「毛細血管拡張症」が対象として書かれていますが、鼻の周りや頬などに部分的に出る血管の広がりは、見た目を整えるという意味合いが強いため、以前は保険が認められていた時期もありましたが、現在は保険の審査で認められなくなっています。
一方、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)は、全身の血管に異常が起こる国の指定難病で、皮膚の症状に対するレーザー治療は保険の対象です。
赤ら顔(酒さ)・ニキビ跡の赤み
日本皮膚科学会の治療ガイドライン(2023年版)には、次のように書かれています。
- 赤ら顔(酒さ):細い血管が広がる症状(毛細血管拡張症)を除き、レーザー治療に保険は使えない
- ニキビ・ニキビ跡:レーザー治療に保険は使えない
ガイドラインでは、赤みが目立つタイプの赤ら顔に、Vビームのようなレーザーを「治療の選択肢の一つ」としています。ただ、選択肢に挙がっていることと、保険が使えることは別の話です。ガイドラインにある毛細血管拡張症の扱いは、上で説明したとおりです。
保険が使えるかどうかは、最終的には保険診療の請求を審査する各都道府県の審査委員会の判断によるため、地域によって扱いが異なることもあります。東京・神奈川・愛知・大阪では、現在ここで説明した扱いになっていることが多いです。
なお、赤ら顔(酒さ)と診断された場合は、保険診療の塗り薬などで治療する方法もあります(ニキビ・酒さの診療について)。赤ら顔の治療の全体像は、赤ら顔の治療、皮膚科では何ができる?で解説しています。
04 渋谷スクランブル皮膚科のVビーム治療
当院では、赤みの状態やご希望に合わせて、看護師が照射する「Vフェイシャル」と、医師が照射する「Vビーム」の2つのプランから選べます。
| Vフェイシャル | Vビーム | |
|---|---|---|
| 施術する人 | 看護師 | 医師 |
| 照射する範囲 | 全顔、または2パーツをまとめて | 全顔はもちろん、鼻・頬・前額部など気になる部位だけを選ぶことも可能 |
| 照射の強さ | 出力を抑えて、おだやかに | 肌の状態を医師が見極め、しっかりめに |
| 施術後の様子 | 直後からメイクができます | 2〜3日、赤みとむくみが出る場合があります |
| 向いている方 | まずは試してみたい方、顔全体の赤みを少しずつ改善したい方 | 気になる部位を重点的に治療したい方 |
治療の進め方の目安
- 治療間隔:2週間に1度が目安です
- 回数:まずは3回程度から始めてみてください。そのくらいで変化を実感される方が多く、しっかり治療したい場合の継続の目安は5〜10回です
- 施術時間:範囲によって10〜15分程度です
- 麻酔:冷却機能があるため、大人は通常使いません
施術の流れや症例写真は、Vビームのページでご覧いただけます。
渋谷スクランブル皮膚科でVビームの対象になる赤み
渋谷スクランブル皮膚科では、顔の赤みだけでなく、傷あとや体の赤いできものにもVビームを使っています。主な対象は次のとおりです。
- 鼻の周りや頬の毛細血管拡張:小鼻の横や頬に、細い血管が透けて見える
- 顔全体の赤ら顔(酒さ):頬や鼻の赤み・ほてりが続く
- ニキビ跡の赤み:ニキビが治ったあとも、赤みが残っている
- 傷あとの赤み:けがや手術のあとに、赤みが残っている
- ケロイド・肥厚性瘢痕の赤み:盛り上がった傷あとが赤い
- 顔や体にある赤いできもの:小さな赤いポツポツが気になる
ご自身の赤みがどれにあたるか分からなくても大丈夫です。どの治療が合うかは、診察で医師が判断します。
05 渋谷スクランブル皮膚科のVビーム料金(自由診療・税込)
当院のVビームは自由診療(保険適用外)で、看護師が照射する「Vフェイシャル」は全顔1回15,000円(初回10,000円)、医師が照射する「Vビーム」は鼻12,000円からです(税込・2026年9月時点)。
治療間隔は2週間に1度が目安です。渋谷駅から徒歩1分、平日は20時まで診療しているため、お仕事帰りなどにも通いやすく、2週間ごとの通院を続けやすい環境です。
料金は次のとおりです。
すべて自由診療・税込(2026年9月時点)
06 Vビームの副作用と受けられない方
Vビームでは痛み・赤み・むくみ・内出血(紫斑)などの副作用が起こることがあり、妊娠中・授乳中の方などは照射できない、または相談が必要です。下の期間はいずれも目安です。
- 痛み: 照射時に輪ゴムで弾かれるような痛み
- 赤み: 照射後に出て、3日程でうすくなります(医師が照射するVビームでは2〜3日、赤みとむくみが出る場合があります)
- むくみ・軽度の盛り上がり: 2日程続くことがあります
- 内出血(紫斑): 2週間程で引いていきます(Vビーム後の紫斑について)
渋谷スクランブル皮膚科では、原則として紫斑が出ない強さで照射しています。紫斑が気になる方は、診察時にお気軽にお伝えください。
照射できない・相談が必要な方
- 妊娠中・授乳中の方
- 照射部位に炎症や傷がある方
- 日焼け直後の方
- 光過敏症の方
施術当日は飲酒・運動・湯船につかることを控え、施術の前後は紫外線対策を心がけてください。施術後の過ごし方などの詳細はVビームのページをご覧ください。
Q&A よくある質問
Q.赤ら顔は保険で治療できますか?
赤ら顔(酒さ)に対するVビームは保険適用外で、自由診療になります。ただし酒さと診断された場合は、保険診療の塗り薬などによる治療という選択肢があります。どの治療が合うかは診察でご相談ください。
Q.ニキビ跡の赤みは保険になりますか?
ニキビ跡の赤みに対するVビームは保険適用外で、自由診療です。ニキビ跡の赤みは数か月で自然に薄くなることもあるため、まずは保湿と日焼け止めを心がけ、長く残る場合にVビームをご検討ください。
Q.子どもの赤あざはVビームを受けられますか?
当院では、生まれつき・幼少期からある赤あざの治療は行っていません。赤あざには単純性血管腫・苺状血管腫など保険診療の対象となる病気も含まれます。ご相談いただいた場合は、適切な医療機関をご紹介します。
Q.毛細血管拡張症は保険になりますか?
鼻の周りや頬などに部分的に出る毛細血管拡張症は、見た目を整える意味合いが強いことから、現在は保険の審査で認められておらず、自由診療になります。一方、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)など、遺伝性・全身性のものは保険の対象です。どちらにあたるかは、診察で医師が判断します。
Q.Vビームで紫斑(紫色の内出血)は出ますか?
Vビームは出力を強くすると紫斑が出る可能性がありますが、渋谷スクランブル皮膚科では、紫斑が出ないギリギリの強さを目指し、肌の状態を見ながら調整して照射しています。ただし、部位によっては小さな紫斑が出ることがあります。その場合は、引くまでの10日ほど、コンシーラーで隠す、マスクをするなどの対応が必要です。頬全体に多数の紫斑が出るような強い照射は行っていませんので、ご安心ください。
参考文献





